地域おこし協力隊を辞めました

2015.04.07 Tuesday 22:51
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    私はこの度、平成26年度をもちまして、和歌山県かつらぎ町花園地域の地域おこし協力隊の活動を終了することとなりました。地域おこし協力隊は年度末に契約更新をするのですが、今回自分の方から契約解除を申し出た形となった次第です。
    自分は正直、地域をおこしていく、あるいは田舎暮らしをしていくというミッションをナメていたところがありました。


    まず、花園地域の地域おこしの方針は「隊員が主役となって、自治体や住民を巻き込みながら地域をおこしていく」というものだったのですが、正直自分には「主役」をやっていくにはあまりに力が不足していました。

    花園地域をおこしていくにあたっては、「自分が全て背負いこまなければ、自分だけでなく自治体までも潰れてしまう」という重大な責務があり、それを遂行していく過程の中でうつ病が再び悪化してしまい、満足に活動ができなくなってしまいました。

    地域おこしをするためには心身共にタフさが求められたのですが、自分の場合はメンタル・フィジカルの両方があまりにも脆弱だったのです。

    また、田舎暮らしをするのは並大抵の努力では全然足りませんでした。ただでさえ人が少ない田舎においては、それこそ365日中360日は努力するくらいの悲壮な覚悟が必要だと悟りました。自分には、その覚悟が中途半端でした。自分の経験では、田舎暮らしを実現する事はそれこそプロ野球選手や漫画家になるのと同じくらいの困難なミッションである、と感じました。ただそれらと比較してブルーオーシャンである、というだけで。


    一応自分も志は持っていたのですが、いざ現実に直面すると志だけでは到底やっていけませんでした。具体的には、24時間365日住民に呼ばれれば即座に駆けつける頑強なフィジカルと、周囲の雑音に惑わされずやりたいことを粛々と進めていく鋼のメンタルが必要不可欠でした。それらを両方とも持っていないと、今の自分のように孤立してしまって八方塞がりになり、行き着く先はうつ病です。

    結局のところ、自分は地域には何も残すことができませんでした。これはどれだけ真っ当な言い訳を並べたとしても、「税金泥棒」と責められてしかるべきです。花園支所や花園地域の住民の方はもちろんのこと、日本国民の皆様に謝罪申し上げます。


    最後になりましたが、これから地域おこし協力隊を志望される方にアドバイスでも。ありきたりの内容ですが、地域おこし協力隊として行くからには、故郷や今までの環境を捨ててこれから行く地域に骨をうずめる覚悟でのぞんでください今までの環境と並存できるほど、地域おこしの活動は甘くありません。それこそ、「私は一国一城の主である」という精神で、誰にも頼らず個人の力で全ての問題を解決するくらいの気概で活動にあたってほしいと思います。


    半年間、花園地域の皆様にはお世話になりました。自分はこの地を離れますが、これから花園地域が見事な復活劇を起こしてくれることを、切に願います。本当に、ありがとうございました。

    JUGEMテーマ:地域おこし協力隊
    Comment
    新城に家があるものです。花園にもちょこちょこ行きます。

    まずはお疲れさまでした。

    花園で募集があったことも知っていましたし、全国的にみてもなかなか難しいようで、
    陰ながら応援していました。
    色々とご尽力されたと思いますが、田舎って(かつらぎ町役場も)特有な雰囲気があるし・・。

    これからはマンドリン?の方に注力されるのでしょうか。自分を責めないでくださいね。

    お疲れ様でした。
    • 新城太郎
    • 2015/04/08 5:07 PM
    >新城太郎さん

    コメントありがとうございます。

    同じかつらぎ町でも、新城地域や天野地域では住民の方々が主体的に地域おこしをされているらしいですね。
    住民の方々が地域おこしに積極的であれば隊員の負担も軽くなるのですが、
    それは無いものねだりなわけでして。
    「地域おこしがしたいけどやり方がわからない」というのが、花園支所の事情だそうです。

    地域おこし協力隊での活動は一旦これにて終了しますが、
    地域おこしには住民というスタンスでこれからも何かしらの形で携わろうと思います。

    陰ながらの応援、ありがとうございました。
    • C4
    • 2015/04/08 10:05 PM
    お疲れ様でした。
    自分は今現役の協力隊員です。
    自分が居る街には自分含めて2人の協力隊員が居ます。1人はうつ病になり1年で契約終了です。
    自分も実際精神科に行ったらうつ病と言われると思います。
    あまりにもひどすぎる役所に2人とも心が折れています。
    隊員以外の仕事で残業しても時間給無し(時間給の話をしたら、『3年居たいんでしょう?余計なこと言わない方が良いと思うけどなぁ。』と言われました。)、補助金使えず(補助金はどこで使われているのかを問うと『お前にキレそうだわ。キレても良いか?』と言われる。)、出張費も自費、役所職員から税金泥棒呼ばわり、意味も無く罵声罵倒、次の年の予算の組み方も教えてもらえず結局予算無しの状況です。また、協力隊員として一番やるべきのはずの市民との交流も禁止されています。私のやる仕事を継続するはずだった正職員はパワハラでうつ病になり辞めて、私が代わりに協力隊員として配属されることになりました。(その情報は採用されてから知りました。)
    自分は逃げた方が良いでしょうか?助言を頂けたら嬉しいです。
    • 現役の協力隊員
    • 2016/01/28 9:43 AM
    >現役の協力隊員さん

    コメントありがとうございます。

    正直に申し上げますと、早いところ逃げた方がいいと思います。
    筆者の前任者も、花園地域の協力隊を辞めて、
    別の自治体の協力隊で活動しています。
    協力隊を途中で辞めること自体は、
    意外と多いケースだったりするのです。

    地域おこし協力隊の活動自体は、
    ある種の「お試し移住」だと思っています。
    「合わない」と思ったら、別の自治体に移住しても
    何ら問題はありません。
    所詮、雇用契約の無い嘱託なのですから、

    とにかく、うつ病になることだけは避けるべきです。
    現役のメンヘラの筆者も、
    発病から5年経った現在でも後遺症に苦しんでいます。
    うつ病になるのと比較すれば、
    逃げの退職を選ぶことは何ら恥ずべきことではありません。

    田舎なんて日本にゴマンとあるわけですから、
    別の地域でやり直せばいいと筆者は考えています。

    あと、もし可能であれば、その地域もネット上に晒しておきましょう。
    後から協力隊を志す人のために。
    • C4
    • 2016/01/28 7:01 PM
    滋賀県で地域おこし協力隊をしていましたが、私もうつ病を発症して途中リタイアしました。
    ほかに3名の同僚がいたのですが、そのうち2名は途中から双極性障害のような感じになってしまい、家から出られなくなってしました。残りの1名は、地域おこし協力隊とは名ばかりで、ニートのような生活になってしまい、地域にもほとんど居ません。大阪の実家にいるようです。それでも給与は支払われ続けています。
    地域住民からは「早くあの役立たずを首にしろ!」と連日のように役所に電話が入っていたようです。
    双極性障害の若者は、協力隊になるまでは派遣工で転々としていたようです。正直、地域は即戦力の人材を求めていました。スーパーマンがきてくれると思っていたんです。しかし、来たのは都会で使えない若者。それを本人が一番感じてプレッシャーに押しつぶされてしまい、病気になってしまいました。まあ、わたしもそのくちですが。
    • まるまるまるもり
    • 2017/11/22 5:26 PM
    地域おこし協力隊を受け入れている地域の者です。
    正直、地域おこし協力隊のレベルが低すぎです。みんな「3年間、不労所得をもらって好き勝手に田舎暮らしを楽しもう」という感じです。
    一昨年移住してきた若者も、「とりあえず農的な暮らしで生活していきたいっすねー」と言っていて、こちらが手伝ってほしいと思うことをお願いしたら「そんなことやって意味あります?滅びる地域を延命してどうするんすか?」「俺の人生一度きりなんで。公開したくないんで、やりたくないことはやらないんで。時間の無駄っす」と言われたので、もう地域の人は誰も相手にしなくなりました。彼の家の前を通ると、毎日車が止まっている状態で、家から出てこないのでなにをやっているのかわかりません。

    自治会長に相談し、役所に相談したら「本人のやる気を地域全体で引き出してあげてください」といわれるだけ。税金泥棒でしょ。
    聞くところによると、彼は以前は福島県で地域おこし協力隊を2年半やっていたそうです。そして、任期前に辞めて、こちらに来たようでした。新しい自治体に移ると、3年間の任期がリセットされて、また新たに3年間協力隊が出来るのだそうです。最近はそうして全国を転々としている協力隊も増えているようですね。
    正直、このままでは受け入れ自治体側が振り回されて疲れ果ててしまいそうです。

    この制度はいったい誰のための制度だったのでしょうか?食えない若者の生活保護制度だったのでしょうか?
    • 乞食太郎
    • 2018/02/06 2:18 AM
    > まるまるもりもりさん

    コメントありがとうございます。

    滋賀県はちょっと特殊な所があり、
    郊外のベッドタウンが地域おこし協力隊を募集する
    「都市型の地域おこし」を行っているそうです。
    (筆者が会った滋賀県の隊員いわく)

    それ故、地域住民も隊員については特に何も期待しておらず、
    「なんでそこそこ栄えているのに町おこしをしにゃならんのだ?」
    と言われているとのことです。

    当ブログでは何度も「役所や地域住民が主体的に地域おこしをしないと意味が無い」と
    述べてきましたが、
    まだまだ協力隊に依存体質な自治体も多いようですね。
    そういう自治体は協力隊が居ても居なくても滅びると思うので、
    辞めて正解だと思います。

    最後に、どうか身体をご自愛くださいませ。
    • C4
    • 2018/02/19 6:27 PM
    > 乞食太郎さん

    コメントありがとうございます。

    協力隊をうまく扱うコツとしては、綿密なコミュニケーションをとるのが欠かせません。
    彼/彼女らはそもそも「どう努力したらいいかわからない」状態なので、
    自治体が「こうしたい!」というのを前面に押し出さないと動きません。

    とりあえず、手始めに企画書のようなものを作成・プレゼンさせてみてはいかがでしょうか。
    隊員が「こうやって町おこしをしていきます」というのを宣言させて文書化させれば
    あとは行動するしかない状況になります。
    そしてPDCAサイクルの中に自治体も入って、
    「ここはこうした方がいい」とアドバイスをすれば
    自ずと動いてくれるはずです。

    「全部任せる」で動いてくれるほど、ヒトという生き物は勤勉ではありません。
    ある程度の管理が入ってようやく、行動を起こす生き物なのです。

    ご参考までに。
    • C4
    • 2018/02/19 6:34 PM








       
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